不動産コラム
不動産コラム一覧

vol.29
 

流通税の軽減延長や地震対策が盛り込まれる-来年度税制改正



■実質増税項目が多いなか、不動産取引の活性化や今後の住宅政策を見据えた内容も
15日、来年度の税制改正の大枠(「平成18年度税制改正大綱」)が決定しました。今回の改正は、全般的には過去に導入された減税の縮小、廃止を中心とした増税色が濃い内容になり、家計にとっては、定率減税の縮小、“第3のビール”やたばこへの税引き上げなど、負担を強いられるとの印象が強くなったようです。一方、住宅および不動産関連においては、流通税の軽減措置が一部維持され、前年には認められなかった耐震改修(リフォーム)の促進税制が創設されるなど、不動産取引の活性化や今後の住宅政策を見据えた意義ある内容となりました(図表参照)。

(※以下の内容は、あくまでも今後の国会決議を踏まえた上で具体的に決定)


■不動産流通税の軽減措置が一部継続
住宅および不動産関連について、今回の改正では、資産デフレ解消を目指して導入された不動産流通税に関する軽減措置が、一部ではありますが延長などで継続されることとなりました。不動産取得税では、土地にかかる課税標準価格を2分の1とする特例措置と、土地ならびに住宅に区分される建物にかかる税率の軽減措置(本則4%を3%)が、H21年3月末まで延長されます(ただし、非住宅に区分される建物については、H20年3月末まで3.5%→以降は本則4%を適用)。登録免許税は原則的に本則へ戻る形となりますが、土地にかかる税率については、売買の所有権移転登記がH20年3月末まで1%を維持(本則2%)、所有権信託登記がH20年3月末まで0.2%を維持(本則0.4%)と、これらに限って軽減措置が2年延長されます。また、JリートやSPCといった特定目的会社が不動産を取得する場合の特例措置は、税率の戻し幅を半分にとどめて (所有権移転0.60%→0.80%、抵当権・質権移転0.10%→0.15%)、新たに2年間講じられることになりました。都市部では不動産取引が活発化してきたとはいえ、地方などでは依然として土地の資産デフレが続いています。根本的なデフレ脱却を目指し、さらには住宅取引の活性化に対する策がきっちりと取られた点に対し、一定の評価ができるのだと思われます。


■耐震リフォームを促す税制が新設、良質な住宅ストック形成につながる効果を期待
さらに、わが国で震災被害が相次いでいることを踏まえて、「既存住宅の耐震改修した場合の減税措置」が創設されました。これは、旧耐震基準で建てられた住宅に耐震改修を実施した場合、所得税と固定資産税が軽減されるというものです。所得税では、S56年5月31日以前に建築確認を受けた耐震基準を満たない家屋に対し、H18年4月から20年3月末までに一定区域内で耐震基準に適合する耐震改修工事をした場合、耐震改修工事に要した費用の10%相当額(上限20万円)をその年の所得税額から控除できます。固定資産税では、S57年1月1日に存在した住宅に対し、H18年1月から27年末までに30万円以上かけて耐震改修工事をした場合、固定資産税にかかる120㎡までの範囲内の部分の固定資産税を、耐震改修工事をした翌年分から最長3年間半分にできます。こうしたインセンティブによって、新耐震基準をクリアする住宅の割合が増えると、良質な住宅ストックの形成につながり、不動産流通市場にとってプラスの効果が期待できると考えられます。

図表:住宅および不動産関連税制の主な改正点(H18年)


 
最近のバックナンバー
 
関連コンテンツ
 
※このデータは2005年12月22日現在のものです。 [本コンテンツの内容について] [住友不動産販売TOPへ]